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ルイ・ロブションのフィナンシェを賞味する

「JR芦屋駅」は再開発が進む南地区に、昨年の4月にオープンした「パティスリー ラ ガール バイ ルイ ロブション」を改めて検証、じっくり訪問した。この店は彼のジョエル・ロブションの息子で日本人の母を持つ、ルイ・ロブションがプロデュースした、世界初のスイーツブランド。フランスを代表する焼き菓子およそ30種が美しく並ぶ。

当倶楽部の第一の検証アイテムはフィナンシェ、アオサやくるみ、黒糖といった「和テイスト」な要素のフィナンシェが顔を覗かせるが、何と言っても特筆するべきは「フィナンシェ・パンプリー」である。

パンプリー社のバターといえば、淡い黄色の色味を持ち、軽い脂分が、ブールノワゼット(焦がしバター)のような芳香さとエレガンス感が漂うバターで、口当たりもサッパリ、後味は爽やかな風味が特徴である。「ガトーロール パンプリー」も看板商品にしていることからも、このバターはかなりの力の入れようである。

この「フィナンシェ・パンプリー」のサイズは1個20~23gほどであろうか、フランスの伝統的な金塊型を誇示するようにショーケースに鎮座する。

色目は典型的なブールノワゼットで、アーモンドプールの豊潤な香りを放ち、食感なら硬めでしっかりとした味わいを予想するも、実際口にしてみると風味は見込み通りだが、食感についてはパウンドケーキでも食したかのようなふんわりさに驚かされた。

原材料を改めて確かめると、はちみつとベーキングパウダーが加えられており、日本人好みを模索、研究した跡が見て取れ、実に腑に落ちる。とはいえこのサイズで350円超えは、なかなかの芦屋価格ではないか。

いや、フィナンシェの更なる地位向上も踏まえ、ハイクオリティなフィナンシェをそれ相応の価格で提供するスタンスは、次世代のフィナンシェなるものをしっかり牽引しようとする姿勢の現れではないか。当倶楽部もしっかり見習わなくてはならない正道である。

兵庫県芦屋市船戸町1-6 10:00~20:00 不定休 TEL 0797-23-0233

文責 フィナンシェ倶楽部 部長

店内にはワインも豊富に並ぶ